前回の記事(「同好会交流会」)で、岩国市玖珂「あいあいセンター」50cmカセ・ニュートン天体望遠鏡をご紹介しました。
スペックは
主鏡 500㎜
・ニュートン式 2,500㎜(F5)
・カセグレン式 7,500㎜(F15)
大口径であるがゆえ
・ニュートン式では接眼部が非常に高い位置になるため、大人でも脚立の上部に上がらないと覗き込めない
・カセグレン式では接眼部は子供にも覗き易い位置になるが、かなりの高倍率となり、月面の一部しか見れない
子ども(父兄同伴)が主となる観望会は、
月や星団を楽しんでもらうためには、「カセグレン式、且つ、低倍率」が必要になります。
これまでも、数回の思考錯誤を繰り返してきました。
○50.8㎜アイピースレデューサー+MEADE 56㎜アイピース
結果→MEADE 56㎜アイピースのみと視野はぼぼ同じで、レデューサーの効果はなかったです。
○31.7㎜アイピースレデューサー+31.7㎜アイピースレデューサー+31.7㎜長焦点アイピース
結果→レデューサーの二枚重ねは全く功を奏せず、逆に、極端に視野が狭くなるだけでした。
効果が目に見えてこないので、以前、●井トレーディングに質問したところ、素人の質問にも真摯に対応していただきました。
当時のメールが残っていたので、ご紹介します。
(イッシー)
今回使用したアイピースは、31.7㎜サイズは「40㎜」、2インチサイズは「56㎜」と いずれも長焦点のものでした。
(●井トレーディング)
それは適性外です。いずれもバレル内径ぎりぎりの視野径を確保しているアイピースですので、レデューサーを付けても視野が小さくなるだけで、物理的に見える範囲は変わりませんので、レデューサーを使う意味が余りありません。(視野径は接眼部サイズの内径により物理的な限界があり、倍率を下げてもこれを超えることは不可能です。)
31.7mm径であれば、最長20mm程度までの中焦点アイピースに使えば、確実に違いがお分かりになると思います。
なお、2インチレデューサーの最も効果的な使い方としては、2インチ→31.7mm変換アダプターのフィルターネジに付けて、31.7mm径で20~25mm程度の広角アイピースを使うと、視野のケラレも無く非常にリッチな低倍率広視野が得られます。
補足ですが、倍率が変化しているかどうかを簡単に測定する方法としては、射出瞳径をノギス等で測ってみると良いと思います。レデューサーを付けた状態だと、射出瞳径が大きくなる(=倍率が下がる)のがお分かりになると思います。
以上、ご参考になれば幸いです。
31.7mm径であれば、最長20mm程度までの中焦点アイピースに使えば、確実に違いがお分かりになると思います。
なお、2インチレデューサーの最も効果的な使い方としては、2インチ→31.7mm変換アダプターのフィルターネジに付けて、31.7mm径で20~25mm程度の広角アイピースを使うと、視野のケラレも無く非常にリッチな低倍率広視野が得られます。
補足ですが、倍率が変化しているかどうかを簡単に測定する方法としては、射出瞳径をノギス等で測ってみると良いと思います。レデューサーを付けた状態だと、射出瞳径が大きくなる(=倍率が下がる)のがお分かりになると思います。
以上、ご参考になれば幸いです。
上記の、●井トレーディングのオレンジ色の説明文が気になっていましたが、そのまま放置していました。
しかし、先日の同好会交流会で、大人でも覗くのに危険を行うニュートン式は、写真撮影以外では使わない方が良いと感じました。
そして、●井トレーデングの社長さんの説明をヒントに、
2インチアイピースレデューサーと31.7㎜アイピースレデューサーの2つのレデューサーを使ったら、ひょっとして、低倍率で、かなりの広い視野になるのではと考えたのです。
今朝ほど、自宅ベランダから「レデューサー・ツインシステム」のテストを行いました。
以下は、素人な私の、科学的でない、ちゃんとした数値を示せるようなものでない、
お遊びの範疇のテスト結果です。
なお、岩国天体同好会の幹部(事務局長、会長)にメール報告しました。
結果の内容については、メール文を引用します。
K村先生
Y村先生
件名について、以下のとおりご報告します。
[使用した部品類]
・50.8㎜→31.7㎜変換アダプター
・50.8㎜アイピースレデューサー(別添画像②の赤〇【左】の部品)←ブロ友 Kin**roさん無償譲渡品
・31.7㎜アイピースレデューサー(別添画像②の赤〇【右】の部品)
・31.7㎜バレル延長筒(別添画像②の青〇の部品)
・天体望遠鏡(スカイウォッチャーD180㎜FL2700㎜)
・アイピース(ケンコー製プローセル25㎜)
[添付画像]
画像① テスト風景
[★バレル延長筒を使って31.7㎜アイピースを外側に出す(離す)ことで効果が増幅します]
画像② ツインシステムの仕組み
画像③ 50.8㎜アイピースレデューサーのみの視野
画像④ ツイン(50.8㎜&31.7㎜)システムによる視野(赤〇は画像③の視野)
[寸評]
・効果は、画像③と画像④の視野の広さの違いから歴然としており、画像④ツインシステムの効果は素晴らしく、絶大なものがあります。
予めの計算ずくではなく、たまたまの、ラッキーな結果です(笑)
・欠点は、反射系の場合、視野中央に黒い小円(副鏡の影)が現れます。
ただし、この副鏡の影は、眼視では、ピントが合った状態で覗くと、殆ど気にならない程度になります。
なお、焦点距離の長いアイピースに交換すれば、さらに広視野になるのではと考えがちですが、アイピースの焦点距離は、20~25㎜程度が良いとされています。
以上、ご報告します。
今度いつか、玖珂50cm望遠鏡を操作できる機会がありましたら、このシステムがマッチングするかどうか試してみたいです。
それでは、また・・・
イッシー
※スマホでは上手く撮れませんでした。
実際に覗き込んだ視野は、さらに驚きの広さが広がりますヨ!
低倍率と広視野、この両方を欲している方の参考になれば幸いです。